ねてもさめても

桃山ビート・トライブ、千穐楽の最後のカーテンコール。

ふたりだけでトコトコ出てきて、真ん中で並んで、顔をちょっと見合わせて、「いやーーー」って。終わっちゃったねぇ、みたいな声音の、いやいやいや、ってニュアンスの、「いやーーー」って声を揃って出した時、

あっ、戻った

って、思った。

戻った。このひとたちには戻るところがあって、宇宙に、帰るのだ。

藤次郎と小平太だったのに。

帰ってしまうのだ。

戻る場所があること、帰るところがあることを、何よりありがたいことだと思って、何より本人がその場所のことをしぬほど大事に、それは何よりも大事にしてきた場所なのに。

こんなにさみしいのは、どうしてだろうと。

自分の感情を思い返している。大昔、本当に大昔、宝塚で、天海のサヨナラ公演だったミー&マイガールを見た時みたいだった。

天海のビルを、これを見るために私は天海を好きになったんじゃないかなって思ってた、当時。そこにいるのは天海で間違いないけれど、そこにいたのはビルだった。気質が本人と似てるとか役に合ってるとか芝居がどうとか、技術がどうとか、役になりきるとか憑依型がどうとか、全然そういうことじゃなくて、ただ、そこにいるのはビルだった。

EXには、ただ、藤次郎がいた。

EXで生きていた藤次郎は、原作よりずっと優しくて、ずっと誰かが好きだった。

二幕、ちほと女の童たちが踊る姿に三味線を弾いている、そこにやってきた人に「秀次様」と呼びかける。

日を追うごとに、その声がどんどんうれしそうになっていく。最初は、驚きの方が強い「ひでつぐさま?」だったのに、終わる頃には「ひでつぐさま!」になっている。

ずっと誰かを好きになる。

藤次郎はずっとずっとステージにいるみんなのことが好きだった。小平太のことも弥介のことも、ちほも、又一郎さんも、秀次様も、三次も、助左衛門さんも、平信も成太も飯屋の主人のことも、三味線盗んだその持ち主のことさえも多分。

敵対してるお国に警戒心バリバリだけど、でもたぶん嫌いじゃない。三九郎と三成のことは許さないだろうけど、でも嫌いではないような気がした。

ずっと誰かを好きでいる。自分の目に映る世界の全部を愛してる。

だから藤次郎は優しくて、日を重ねるごとにもっとどんどん優しくなる。

その世界にいるみんなのことを、ほんとに大事にしたいんだと、それは痛いほどに。

ぜんぜん、踊ってなんかいないのにね。

一番得意なことを、一切やっていないのに。

楽器なんか全然興味ないのに、三味線ずっと持っててさ。

ジャニーズに入ってこんなに苦戦したの初めてだ

って。嘆いてたみたいなのに。

ほんとに。わたし、ほんとに、藤次郎に担降りしたくてしょうがなくて。

ビジュアルイメージが出た時の、これだ!っていう感激のなかにいつまでも浸ってたくて。

それが、理想のとおりに動いてて。

EXに、そこに藤次郎がいて。

千穐楽が終わるとき。

本当に。

藤次郎はもう消えてしまうんだと。

「いやーーー」って声が揃った時に。

あっ、戻った

って。

あの瞬間、たしかに藤次郎は消えて。

「みんなが泣かないでよ」

って、客席の わたしたち は、おこられて。

「こんなふたりですが、これからも、よろしくおねがいします」

って亮太さんが言って、めぐさんとふたりで、ぺこっとお辞儀をした。

帰るんだ。

そう思ったとき、めぐさんが亮太さんの手を引いて、ぱふっ、と、抱きしめた。突然。

亮太さんの耳元で、めぐさんが何事かを伝えてから、ふっと体が離れた時に。

ぶわわっ、と、一度引っ込んだ涙をまた、ぶわわっ、とあふれさせながら。

一瞬、途方にくれたような顔をした。

その一瞬の顔がね。

もう、戻ってたのに。宇宙に帰っていたのに、また、ほんの一瞬だけ。

引き戻されたような気がしたの。

もう帰っちゃうの、って。

なんだか、そんな顔に見えたの。

「ばいばーい!」

って、言われた。

「ばいばーい!」って、手を振られて。

「ほんとにありがとうございました」ってめぐさんが言って。

「ほんとにありがとうございました」って亮太さんが言って。

帰っちゃった。

へんなの。

帰っていくその場所を、しぬほど愛してるのにね。

ばいばい!

いつかまた、担降りさせてくれよな!

ライナーノーツ 舞台 桃山ビート・トライブ

11月23日 18:00

午後イチくらいで六本木へ。会場前の電光の写真撮るつもりで早めに行ったけど、昼間はうまく撮影できず。ヒルズのZARA入ったりカードショップ入ったりしてから、15時前にEXの上に行く。わざわざ事前にグッズ販売してくれるというから、列が短いのは申し訳ないというきもちだけで寒いけど並ぶ。最終的に50人くらいいたのかな、もうちょっといたかな。

桃山カフェとやらはやっぱり、普段のジャニの時にグッズ売ってるとこだった。隣から入って階段降りて、グッズ売り場は地上正面のカウンター。お花はMyojoとか。ポポロが出してくれてて、POTATOからは初日になかったけどその後どうなったのかそういえば確認してない。めぐさん宛に来てたスタンド花が途中で後ろ向きになって多分あれ撤収されたっぽいんだけどその経緯が若干気になった…ファンからだってバレたとかそういうやつだろうか…(ジャニの出演者へのお花は禁止)。ひととおりのグッズ買ってヒルズに戻る。私が買った5分後に匂い袋が売り切れたと知るのは翌日の話。

ただひたすらにこの日まで胃が痛かったけど、ステージはまったく問題なかった。

ひとに「こんないい仕事はない」と言ってもらえて若干天に昇る。わたしもそうおもう。多分ずっと天に昇ってたよね…ビジュアルも内容も音も自分の好みにばちっとハマる感じだったのもありがたいことこのうえなし、みたいなやつだった。

ド下手から見てたから立ち位置とは逆なんだけど、下手から見ると顔が全部こっち向いてるから表情が全部見えて、ひたすら「顔がいい」と思いながら見ていた。嘘。ずっと胃が痛くてずっとうれしくてしにそうだった。小平太を迎えに行くとこ、ド下手前列だと幕の向こうで芝居してるのが見えて、表情が痛そうで、いやこんなちゃんと芝居できる人だったっけ…?あなたやまもとさんですよね…?ってしにそうだった。

今まで舞台上であったセリフの山本節みたいなものがきれいに抜けててまったく噛まず、すごい…!ってなった後のカテコ、「本日はまことに」の、「まことに」が言えなくて噛んだw 完璧だった。その後もっかい出てきた時、もっかい噛んだ。完璧だった。

藤次郎「そんな大事なものだったのかよ」←最初の三味線盗んでダッシュした後。初日からどんどん変化して、最後の方は、ちょっと申し訳なさそうなニュアンスが混じった。人の気持ちを受け取る感度、みたいなものを、そのまま感情としてセリフに落とし込むことが突然できるようになった、みたいなイメージ。

11月24日 19:00

出社前にスポ紙買い込んでせっせと処理。記者会見に続き2回目。取り上げてもらってることに恐縮至極。

初日後の打ち上げ的なことの話が共演者の方のSNSから流れてくる状況。みなさんそれも大事なお仕事のひとつなので、なんというか、書き方というか距離の取り方というか伝え方みたいなものが上手なので感心する。たいへんだな…ともおもう。

その時に「明日も初日です!」って座長が言った、という伝えられ方をしていて、それ100%小さい方の座長だな、って思ったけど、それ言いそうな方が片方しか思い浮かばないっておもしろいとおもってた、イメージの共有化っていうか。

…みたいなことを考えながら会社から六本木へ。前日の噛み倒しを受けて、カテコの挨拶前に気合い入れまくりの小さい方の座長。ステージは問題ないのにw

藤次郎「責めるかよ」←小平太が出て行ってしまった後、「あのアホが」、又一郎「責めるなよ、自分を」を受けての「責めるかよ」。初日とぜんっぜん言い方が違って、ふぉぉぉっ!ってなった(わたしが)。

11月25日 13:00 18:00

昼公演、急転直下で声がかすれている藤次郎さん。前日までは何の問題もなかった。見ててしにそうになる(わたしが)。でも、全然声が出てないってわけじゃなくて、低音は大丈夫。大きく高めに叫ぶとこはかすれる。それを把握しているので、叫ばなくていいとこは叫ばないとか、テクニカルな対処を本人がしているので、聞き取れないところはない。それに加えて、声の調子を本人が気にしていない(ように見える)。

場数だな、と思ってしにそうになりながらしみじみする。声が出ないことを本人が気にしちゃうのが一番見ててつらいから、そこをクリアできてるのは場数としか表現のしようがない。初見のひとには、このひとこういう声なのかな、くらいの感じまではもっていけてたのが場数の力だとおもった。

しばらく見てて、声がかすれている、のではなく、これは風邪という現象なのでは、と思い始める。風邪、なら、その方がいいなと思う。

後日、共演者の方が、小さい方の座長に「体調とか大丈夫?」と問うたところ、「だいじょうぶですっ」と答えてきたという話が出ていたので、あれやっぱ風邪だったな、というふうに認識している今。

でもこの日昼公演見てしにそうになりすぎて、思いあまりすぎて、夜公演のチケットその場で買いなおした…双眼鏡で見てる場合じゃねぇ、って思ったんだよね…。

個人的体感では昼より夜の方が声は戻ってたとおもう。

藤次郎「銭ならあるよ!」←この日の昼公演はマイクのスイッチングが微妙で、最初の飯屋の場面でスタンバイしてる藤次郎の声を拾ってしまった。そこで拾われた声が「銭ならあるよ」って黙々と練習してるみたいな声で、おーまーえー声ー今日は声大事にしてーー練習しないでーー黙っててーーもーーー!…って思いながらしんでた。練習だよな練習、ほんと、練習したし、練習してるんだよね…。

11月26日 13:00

この日の微妙な席のチケット、売れないだろうと思ってたら捌けた。なんとなくこの日あたりから潮目が変わって、捌けないだろうなと思ってた結構な枚数のチケットが、最終的に全部捌けたから、評判ってすごい。チケットが動き始めた、って思ったのがこの日なんだよな…体感の話ね…。

ちなみにチケットは局もメルマガ先行もその後の二次的な優先とかも全部力の限り申し込んだので、ほんとに結構な枚数ため込んでた。売り切れるわけないんだから、とにかく申込数は多い方がいいじゃん!みたいな気持ち。メルマガ先行が一番席は良いっていうのは言われてた通りだとおもう。体感の話。

リピチケは日々、ちょっとずつ前列の左右が広がっていってておもしろかったw いやそこの34ていう数字はなくなかったか!?みたいな。何回か買いました(そしてまた増えていく)。チケット買い放題な現場ってとても幸せだった(真顔)。いや前3列しかうまってないとかはしぬけど、1階は大丈夫だったから、興行的にも大丈夫だったと思っていただけていればいいのですが。。。

小さい方の座長の声は前日より戻っていた。少ししにそうから脱した(わたしが)。この土日、平信こととみけんが助けに来てくれるとこがなんかほんとに心情的に嬉しくて、いつまでも嵐コンから旧MADを手放さないじゅーんってこんな気持ちなのかしら、とか、しにそうすぎてよくわからないことを考えていた(実話)。 

藤次郎「早く、酒とメシ!」←飯屋の場面で飯屋の主人とやりとりするとこが自然でよかったんだよなー。「なんだその目は」って言いつつ、「銭ならあるよ!」って主人の知りたいことをちゃんと言ってあげる藤次郎さんやさしい。だんだん、銭ならあるから安心しろよ、のニュアンスがセリフに入るようになったのやさしい。

11月27日

休演日。いいとこで休演日入ってくれたの、ありがとございますありがとございますありがとございますさぁいけー!…というきもちだった。

(しかし本人は朝から別仕事があったとの由。仕事ありがたい。ありがとございますありがとございますありがとございます…!)

藤次郎「よーしやるぞー」←相撲の前。小平太の話を1ミリも聞いてない。好き。

11月28日 19:00

弥介の脚がえらいこっちゃになった回。なんだか毎日しにそうである(わたしが)。

後日共演者の方のSNSによると、「とりあえず一幕はやろう」っていうくらいの切羽詰まり具合だったらしい…いやそりゃそうだよな…弥介さん最初立ち上がれてなかったもんな…。

ジャニーズ本領発揮というか、こう、トラブった時の強さというか、そういうのがこう、音をたててごーごー燃えてるのが見えて、しかも冷静に青い炎でごーごー燃えててすごかった(語彙力)。

処刑場の演奏シーンのとこで弥介が足を斬られるっていう演出を追加して、ちほをおんぶするのが藤次郎、弥介を介抱するのが小平太。文字通り満身創痍の4人がへろへろになりながら(実際なってた)逃げるっていう、これが Show must go on でなくてなんであろう、て打ち震えていた(わたしが)。

ケガしてきた人はケガした人にやさしくて、今までそうしてもらってきたんだ、っていうことをなんかひしひしと感じてしまった。聚楽第から三次さんに相談行くとこ、その直前に酒器を持って藤次郎がハケたとこがぐっときた。ほんとに些細なことなんだけど、そういう、端から見たら小さく見える動作が一番大変なのかもしれないな…。

一幕だけはとにかくやろう、みたいなとこから、よくのりきったとしか言えない。ずっとごーごー燃えてたな…。又一郎さんがぐっときすぎてて、最後の大演説のとこでちょっと泣いてるし、カテコでもちょっと泣いてるし、三九郎さんもカテコで密かに泣いてるし、いやまぁでも泣くよ、泣くよね…よくのりきった…。

藤次郎「いや、なんも。なんも、ないけど」←小平太を迎えに行って、結局ちほを連れ帰った後、どうしたんですか、と弥介に聞かれて。なんかありすぎた声音の「なんも、ないけど」。

11月29日 14:00

前日は勢いでのりきったけど、この日は休演になるんじゃないかと思ってびくびくしながらtwitter見てて、共演者の方もあんまりつぶやいてないし、公式はシアターEXが本日は14時からですってお知らせ出してたけど会場に連絡行ってないだけかもしれないし、って、なんかそわそわしながら会社にいた。この日の夕方にしかセットできなかったはずの会議が実はこの日じゃなくてよかったことが発覚してふつふつと怒りつつそわそわしつつ。

共演者の方の後日のSNSによると、この日どうなるかは前日段階ではわからず、当日全員集められたものの一旦楽屋待機になり、最終的に久兵衛さんが着くことで決行、という運びになったらしい。久兵衛さんは演出の大関さんで、出演すると発表になった時はみんな盛り上がった、との由。

松葉杖、お付きの者、きゅうべえ、大関さん、立ち位置、おんぶ続行、小平太弥介と別れる、船で合流、みたいなワードを眺めながら悶々としていた。

藤次郎「すまんなみんな。今日はこれでしまいにしよう。またすぐやるから!」←主膳に横やりを入れられて、「興醒めだ」から、客席に向かって言う。「すまんな」の言い方がやさしい。訴えかけられていると感じる。前日、1幕終わりでリアルにこの状況になる可能性があったんだな…。

11月30日 19:00

松葉杖!なるほど!お付きの者!なるほど!久兵衛さんは大関さん!なるほど!立ち位置!なるほど!おんぶ続行!なるほど!…ってなるかーっ!そんな走って大丈夫なのねぇねぇねぇあなたそんな頑丈な体してないとおもうんですけど!?…って思ったけど本人がごーごー燃えている。ここでやらない選択肢があるわけなかった。ごめんな。

主演って怖えぇんだな…。

…ってしみじみしてたら2階に宇宙現る。カテコで2人になった時、ほんとにほんとにうれしそうに手を振ってて、よかったねよかったねって乳母のきもちになる。

弥介さんにはものすごーく笑いかけていて、カテコで出てくる時に肩を貸しながら「おもーい!」って文句言ってる藤次郎。その時は、そうやって動けないことを軽くしてもらってきたんだろうなぁ、そうしてきてもらったからそうできるんだよなぁってさめざめしてたけど、後日共演者の現役女子高生殿が藤次郎さんと弥介さんを称して「ラブラブ」と言っていて、あっあれはラブラブだったのか…、って悟りを開いた(悟りではない)。

藤次郎「それが人にものを頼む時の態度かコラ!」←主膳に対して。この、「コラ」の言い方がちょおいい。(本人の輩度合いがいいふうに作用してるとは言ってない)。

12月1日 19:00

平日ラスト。仕事が落ち着いていたので昼の段階で早退しまーすって言って、事前グッズ販売時間に行く。10人くらいかなー。ちなみに開場した後、匂い袋(桃)がまだあったのは、私が入った回ではこの時だけだったとおもう。

それまでちょこちょこ行ってはいた桃山カフェでゆっくり映像見る。やっとしにそうじゃなくなった(わたしが)、と思ったらあと残り2日になっていた。

ちまちまメモりながらこの日あたりでメモが完成したのでみてほしい↓このシーン、この回ほんと藤次郎さん泣く寸前くらいの勢いですごい好きだった。

小平太「なんで今の話断った」
藤次郎「言っただろ、俺は金持ちに媚びて上に行くつもりはない」
小平太「俺は金持ちに媚びろって言ってるんじゃない、もっと先のことも考えろって言ってるんだよ」
藤次郎「先のこと考える脳味噌あったら、もっと今のこと考えろよ。なんだ今日の笛は。ひょろひょろの音色でよ。おまえ舞台なめてんのか」
小平太「おまえだって三味線勝手に走ってただろ」
藤次郎「自分のこと棚に上げて言うんじゃねえよ!何が先のこと考えろだ、目の前のこともできねえ奴が先のことばっか考えてどうすんだよ」
小平太「客は喜んでただろ。客がよかったら、それでいいだろ!」
藤次郎「いいわけないだろ!」
小平太「俺らは客の金で飯食ってんだ、客を喜ばすことが仕事だろ!」
藤次郎「だからそれができてないんだよ!」
小平太「そんな細かいこと客にわかるわけないだろ!そんなこといちいち言うヒマあったら、ちょっとは金のことも考えろ!」
藤次郎「…おまえ、いつからそんなんなった」
小平太「なにがだよ」
藤次郎「三九郎と同じこと言ってんじゃねえかよ!」
小平太「全然違うわ!一緒にすんな!」
藤次郎「一緒だろうが!それがいやで、おまえあの一座抜けたんだよな」
小平太「そうだよ。だからこそ、見返すためにもっと上にいくんだろうが。だから金を稼ぐ、金を稼ぐために客を喜ばす!今はそれが大事だろ!」
藤次郎「ふざけんなよ!客が喜べばいいなら、もっと色っぽい女呼んで、笛吹かすわ」

原作でもそうなんだけど、藤次郎は、小平太にはもちろん、客にも「わかってほしい」て思ってんだよね。これでいいだろってことじゃなくて、これがいい、これのここがいい、って、客にちゃんと「わかってほしい」ってことが強い。

このシーン、双方、見た限りいっかいも噛まなかったし、セリフ飛ばしたりかぶったりすることもなかった。最初から最後まで、テンション高かった。

12月2日 13:00 18:00

どっちも行けないはずだったんだけど、18時公演のチケットずっと持ち続けてて、カテコだけだったら行ける、って思って、もう最後15分でいいから見たいと思って、いろいろ策を練った結果、2幕頭から見れた。勝訴。 

カテコ、ハケる時に「あとにかいっ!」って三味線掲げてジャンプしながら叫ぶ小さい方の座長。

藤次郎「…水と油」←三次さんとの会話。みずとあぶら。言い方がどんどん良くなってった一言。かみしめるような感じ。三成の世で生きたいとは思わない、が、三成の言うことは理解はできる、というのが三次さんで、三成の言うことは理解はできないけど、秀次様と三成が違うことは理解できる、というのが藤次郎。

12月3日 12:00 17:00

チケット受け渡しをしまくっていてなんか慌ただしかった(ため込んでいたせいである)。ほんとに、あんなにいっぱいあったチケットが(定価割ったのもあったけど)ちゃんと嫁いでいったというのがちょっと信じられなかったなー、出足の状況考えると。ほんとに、今回は、評判、ということの意味をすごく体感した。

落ち着いたと思ったらしにそうなことがおきて、ジェットコースターみたいな日々だった。夏にしか行ったことない六本木に、コート来て通ってるのおもしろかったし、B3階のお化粧室が混んでるっていうのも見たことない光景だった。

前売りのチケット買ってリピチケ買ってグッズ買ってアンケート必ず出して、いやーでも花出したいなーと思って、これは秀次様に出すしかない、もしくは成太さんに出すしか、って思い詰めたこともありました(おちついて)。

当たり役だったことは間違いなくて、ほんとに、私、藤次郎しぬほど好きだし担降り待ったなしだし(待っとけ)、楽しいっていうかなんていうか、あの、このしにそうな感じを、おたくのみなさんに経験してほしいと思った。なんかヘンな感想だけど、ほんと、これは、みんなに感じてほしいというか、なんか、世界が平和になる感じだった(何言ってんだおまえ)。

最後、どう締めていいかわかんなくて、「これしゃべるの俺らだけですか」って2人でまっすぐ瑞樹の方見たの最高だったし、瑞樹がちゃんと答えてくれるのも泣き笑いだったし(瑞樹的には絶対、それ今俺に聞く!?って思ったはずw)、でもちほ一座4人しゃべるのよかったし、ほろほろ泣きながら駄々っ子になってるとこ見守られてるのも泣き笑いだったし。

最後の最後、ふたりだけで挨拶に出してもらえた時、ふたりで顔見合わせて、はー、みたいになってる時に、ふっと、あ、もう戻るんだ、って思った。

あ、もう藤次郎と小平太じゃない、このひとたちは、戻る場所があって、そこへ戻るんだ。今、戻ったんだ、みたいな。

「こんなふたりですが、これからも、よろしくおねがいします」

ってりょうちゃんが言って頭下げて。

いつもみたいに手を合わせたら、その手をめぐさんがぎゅっと引いて、ぽふって抱きしめてくれて、耳元でなんか言って離れたら、りょうちゃんの目からまた涙がぶわわわわってあふれてきて。

なんて言ってくれたのかなぁ。教えてくれないかなぁ。くれないなぁ。教えてくれなくてもいいなぁ。

で、そのあと、めずらしいことに、りょうちゃん、客席に向かって、エアハグしたんだよね。多分、ふわっとハグされて、それ、うれしかったんだと思うんだよね。それを、客席で泣いてるみんなに、わけてくれたのかもしれない。

そして本人たちは打ち上げの仕切りもやって、記念のDVDまでつくって、小さい方の座長は最後タクシーに乗り込んで帰るときに「いざや!かぶかーん!」って叫んで、又一郎さんに静かにしろと突っ込まれていた。てゆーか、帰るところをみんなに見送られていた、その話を又一郎さんがしてくれた、ってことの全部が尊くてしぬ。

…わたし、ずっとしにそうだった、結局はw 

「いざや! かぶかん!」