Johnny's World おぼえがき ~第一幕

菱型に開いていくステージ、サテンレッドの幕、白く光る衣装、四方に広がるフライング、落ちてくるセット、繰り返される Show must go on.

よく知っている、どこかでたくさん見たことのあるオープニング、でもそれが好き。

人数が多いことは楽しいこと。物理的に舞台が人でうまる、それだけでやけに高揚感。

Not enough. まだ充分じゃねーぜ、まだ完璧じゃねーぜ!
サテンレッドの衣装でうまる舞台の上、客席通路。この舞台、出ている時はほぼ90%以上センターにいる山田が次の場面の関係で下手隅に移動する曲の後半、この時の並びはセンター割りでふまけん、背の高い子をずらっと並べて前に押し出すその直前に、一瞬真ん中で踊る有岡の足の上げ方がキュートなこと。
途中、下手隅の圭人にスポット、レディース&ジェントルメン!
立ち位置の関係上一緒にスポットに納まる健人、最初は遠慮してスポットに入らないようにしたり、邪魔しないようにしたりしてたのが、圭人の傍で手をひらひらさせてみたり、手をつないだままやってみたり、3ヵ月後には神宮寺も入れてにこにこしてる レディース&ジェントルメン!
どこ見ていいかわからないくらいのサテンレッドの海、事件は舞台上で起こりすぎている。

カーテン前の山田橋本健人は、THE・次世代!感が満載すぎてひたすらまぶしい。まぶしくて目があけられない。ジャニーズ上に時折出現する、妙なまでに層の厚い特定の年代。ここは健人不在時は健人パートなしでそのまますすみ、山田橋本のデュエット状態になるのも、もののあはれなり(←わびさび的感嘆を表したい)。

水太鼓が好き、というか、水太鼓で使われてる音が好き。
もううんざりするくらい繰り返し何度も何度も聴いてきた音に、太鼓の水しぶき、トンチキすれすれだけど、ジャニジャニした和物の豪華なお衣装、壁一面のJr.。対して、太鼓の前に立つ姿の不思議な静謐。
派手な配色と派手な音の合間の、静かな立ち姿。

仮面、これも何度も何度も見た。成功したり、失敗したりするところも含めて全部仮面。
入れ替わりで出てくる仮面の宮舘が素晴しい。立ち姿、指使い、最後の振り返る瞬間が特に。いよっ!舘様!と声をかけたくなるくらい。いつか顔も名前も出してこれができるように、と。

百花繚乱、左右から飛び出してきて階段に敷かれた幕の紐を手前まで猛烈に引っ張ってくるすのまんがマイベストオブジャニーズジュニアすぎた。そのあとでJUMPの着てたマントを撤収する姿も、敷いた幕をさりげなく巻いて撤収する姿もいいけど、この紐を巻きながら引っ張ってくる姿が好きで好きで好きで。やっぱりJr.って素敵だよ!とうっかり叫んでしまいそうなくらい好き。

ヒンデンブルグ号。タイタニックはともかく、悲劇といってヒンデンブルグ号…しかもちゃんと映像使ってる。近未来の絵に必ず出てきていたはずの飛行船、こなかった飛行船の時代。
とっつーの台詞は微妙にその時々で違うけど、私が見た中で一度「これ以上続けることができません」というその台詞が前後の流れで、「(炎上する飛行船の煙と火の粉がすごくて)続けることができません」ではなくて、「(こんな悲劇の状況の中継をすることは心理的に)もうこれ以上、続けることができません」という意味で通ったことがあって、それがとてもとても記憶に残っている。

6月の王子様感、ミルキーウェイがとにかく優しい。たかきくんはカジュアルのが似合うと思うけど、こういうのもいい。重くて長いベールを引きずる姿が必死なのもいとをかし。夏のにぎやかさ、最初に少しだけ見れたコント、動の中に静が潜んでる壇ノ浦。つなぎで一瞬あった大喜利、傍から見ればそんなの苦手そうな子ばっかりなのに、舞台の上ではきちんとなんでもできるIt's the ジャニーズワールド。

8月は後半ずいぶん声が出るようになって(特に下駄ップチーム)、じゃんけんしたり、しゃがむ時に上手横一列で自然と腕をつかみあってみたり、いかにも長丁場の舞台チックに楽しいものがたくさんたくさん見れた。
そして、とっつーがフリーのところで何を踊っているのか最後までわからなかった・・・あれは・・・絶対に・・・何かの曲の振付なはず・・・。

義経の衣装が異常に山田に似合うこと。不安定な綱渡りは山田がまだ若いことを急に思い出させる。そして台詞 「人より100倍臆病ならば、100倍の勇気を見せればいいではないか」 これはきっと本人についても。

疲れていると爆睡必至な追悼、自分はだいたいごっちさんのコメントのあたりで意識が途切れ、健人が上手マンションに出てきたあたりではっと起きる・・・。一度近くで見た時に、JUMPさんがぞろぞろ出てくるとこで有岡山田知念チームがほんっとにちっちゃくて、ペンギン!ペンギンがいる!て内心で大騒ぎだったことを謝っておきたい。。。 ここのラスト、健人のコメントの言い方がなぜか非常に好き。「~~できましたこと、~~~しましたこと」というように、わりと言い回しが古めかしくて、それが妙に健人の声音に似合っている。しかも、いかにも言わされている台詞なわりに、まったく言わされている感が出ておらず、切々としている妙。この人のスペックの高さはこんなところにも表れる。健人みたいな外見と中身(除トンチキ)なら、世に出る方法はいくらでもあっただろうに、ジャニに来てくれてありがとうありがとう!

そしてやってくるクライマックス、12月。全部、ぜんぶ素敵。ぜんぶ映像にして、全部スローで、なにもかも見たいくらいに。
山田主税の覚醒。「やめろー!」の絶叫が、私が見た中で一回だけ、「やだー!」に聞こえた時がある。いやだ。こんな状況はいやだ。刀を落としてそう叫ぶ、しかし構える、滝のような雨の下。
河合上野介と対峙する水の中、むかっていって腰がひけて尻餅をつきそうになる、毎回のこの逡巡。
逃げろ!と叫ぶ薮の切迫。そして決壊、ゴンドラの天使。

「オレを一人にしないでくれ!」

なんて似合う、山田涼介終幕の絶叫。人も天使もたくさん周りにいたのに、ただ一人、きみの孤独。

「オレを一人にしないでくれ!」