Johnny's World おぼえがき ~番外・遅れてきた帝劇パンデミック

正月公演あけ、1日休演日をはさんだ1月8日、この時はすべてがスロー。しのびよる帝劇パンデミック。白状すれば観劇していた私自身が、ナスカの地上絵あたりで突如具合が悪くなって、あれ、これは最後まで座っていられるかな?くらいの状態。

・・・だったので、光が消えたことには正直気づかなかった。

みんな動きが妙にスローなのは、休みあけだからかな?と思っていたけど、そういえば知念のブランコも調子悪くて技飛ばしてた気がするし、これはちょっと・・・まずい・・・?

その日はその程度。でも、パンデミックの嵐吹き荒れ、薮すげえな!な事態に突入。

(余談ですがわたしも寝込んだ・・・)

有岡さんがダウンした時にはSHOCKの代役がいなかったという話で、歌ったり踊ったり芝居したりという代役はあっても、コメディとかアクロバットの代役って用意することすら難しいのかな、と思ったり。

次に見たのは1週間後。パンデミックをぎりぎり持ちこたえ、嵐が去ったと思われた後。光一inJr.マンションに沸き、山田は光一に「がんばってんな~」と肩を叩かれ、うれしくってどぎまぎしている様が如実に客席にも伝わって、よかったねぇぇぇ、となった。

その、数日後。

山田の咳が止まらなくなったのを見た。

Where my heart belongs.

薮の台詞の途中、けほ、と小さな音。丸いブランコの上、音が入るから、その上の彼は片手でぎゅっと頬の横のマイクを握った。

短い台詞を言う。マイクを握って後ろを向き、けほけほ、と咳き込む。短い台詞を言う。マイクを握って後ろを向き・・・、その、繰り返し。しゃべってる時は大丈夫。でも、口が動いていないと咳き込む。そのまま、歌。舞台の上では、パンデミックの嵐を抜けた知念がいつものように踊ってる。

歌が終わって、マンションの一階、下手隅。いつも、身を乗り出すようにして知念の動きを追っているところ。

マンションの手すりにしがみつくように立って、呆然と視線を下方に向けた彼は、知念を追うどころではなかった。立っているのがやっとの様子で、そのまま、動かない。遅れてきた帝劇パンデミックの渦。たしかに、ずっと疲れてる顔はしていたけど、ここまでひどくはないとみえたのに、でも、それは急激にやってくるものらしく。

ただ、じっと手すりを両手でつかんでいる。下方の一点を見つめて、ただじっと動かない下手隅の彼のちょうど前あたり、彼がぎりぎり視界に入るあたりに、踊る知念の体がやってきた。

すると。

このまま倒れるんじゃないか?とまで思った彼の視線が、ぼんやりと踊る知念を捉え、そのまま上手に移動していく知念に合わせて、すーっと動いた。

「あ、動いた」

思わず口に出すかと思った。動いた。視線が動いて、体が動いて、それからは、もう普通だった。時間にすれば、10分間くらいの出来事。

ひとりだけど、ひとりじゃないのは、ジャニーズのグループの、めんどくさいけど、わるくないところ。