> 「満足しちゃったらそこで終わりだよね」という言葉の意味を、多分はじめて考えた。
2002年、HERE WE GO ! ツアーの記録を、そんな書き出しで初めていた。
2002年8月6日・7日、『ARASHI SUMMER 2002 HERE WE GO!』大阪城ホール。
本編最後の曲が、Easy Crazy Break Down、だった。
> 衣装が黒のレザー系で、腹出しなのです…すっごくいい。
> ヘッドセットマイク、メインステージで振付きちんと入って踊る。
> 途中セリに5人で乗って上上がって踊るんだけど、これがすっっっごくいい振付だと思うの。
> 手をパンと叩くのとか入ってて、なんでもない振りなんだけどいいんだな。
> そんで、♪SoEasyCrazyBreak'nDown!♪で、爆音とともに、5人揃ってすとん!と落ちちゃうのですよ。
> セリがね、後ろ半分使って踊ってて、前半分のセリを下げてて穴あいてて、そこの穴にすとん!と。
> バンッ!って爆音とともに、すとんっ!と落ちて、照明も消えちゃうのだ。
すとんっ!の後には、4パターンあった。
> 初回
> Theme of ARASHIの流れる中、ビジョンにキャスト紹介みたいなノリでエンドロールが流れる。
> エンドロールの最後に『Fin』と出る。
> 客席、「…これで終わり?え、アンコールかけるの?」という感じで盛大に戸惑っている(笑)。
> 初日2部
> 『Fin』と出た次の瞬間松本さんが「最後の曲いくぜ!」とかなんとかゆって、ココロチラリが始まった。
> ジュニア付。ココロチラリやって、「いっしょにがんばってくれたジャニーズジュニアー」やって、「あらしー!」やって、「ばいばーい!」ってやって引っ込んで、それからアンコール。
> アンコール1曲目はHORIZON
> 2日目1部
> 前日2部が客席の反応的によかったのでそれでくると思いきや。
> すとん!の後、いきなりビジョンに「Thank You!」と出て照明落ちてしまう。
> エンドロールなし。音楽なし。客、初回以上に盛大に戸惑う(爆)
> アンコール1曲目がココロチラリ。「いっしょにがんばってくれたジャニーズジュニアー」と「あらしー!」はアンコールラストにあり。
> 2日目2部
> Easy Crazy Break Downが少し小さめに流れる中、するするとエンドロールが。
> 照明は落ちていて、『Fin』と同時くらいにアンコールを要求するよーな暗い照明(わかる;?)が点灯。
> 観客はあまり戸惑わずにアンコールにつながった……ので、これが今のところいちばん形としてはいいのかな。
最終的にこれをどうもっていったかというと、すとん!の後に、右側ビジョンにアラシ(七・三で眼鏡かけたサラリーマン調の企画ものを当時やっていた)を出して、そのアラシがもちゃもちゃしつつ、「嵐すごかったねー!」とかしゃべってると、左側のビジョンにコンサートが終わった設定の嵐が出てきて、掛け合いをするっていう。そして、嵐が消えると、アラシが「アンコール!」ってやりだすっていう。
そっから、アンコール1曲目のナイスな心意気(アラシ映像を出すようになってから、アンコール1曲目をこれに固定した)につなげていく、で、決着してたこの夏。
…決着してた、と書いたけど、ツアー中に映像追加して、アンコール前のアラシ映像は結局2パターン作って、2回公演の時に同じものが出ないようにもしていた。
すとん!
って、全員が空いた空間に飛び込む。とても直線的に。
踊り終わった瞬間、特効でドカンって鳴った瞬間に、ほぼ「気をつけ」の姿勢のまま、すとん!と全員消えて、照明も一気に落ちる。バイバーイ、も、ありがと~、も、外周を手を振って練り歩くこともなく。
1曲まるまる踊って踊って踊って、すとん!……で、終わり。
この時の大阪城ホールは、2日間4公演、全部アンコールとのつなぎ方が違った。
今でも妙に思い出す。
かける情熱いつも抜群、そう歌われていた、潤くんのこと。
情熱が空回りしていた時も確かにあった。
そんなに、周囲と仲良しだったわけでもないとおもう。
でも、そこに情熱があったことは間違いなくて、この時「すとん!」で終わるのをあきらめなかったことは、情熱、としか言いようがない。
初回、やっぱむずかしいかって思って、2回目は一言入れて曲を足した。でも、やっぱりそれで終わりたいって、翌日もう1回チャレンジしてきて客席を盛大に戸惑わせ、2回目もさらに手を入れて、とにかく、これやりたいんだって、その情熱はものすごくはてしなく伝わってきた。
ただ、見ているだけのこちらにまで、情熱がまっすぐに、直線的に。
はじめての国立、映像に残されているスタッフさんの一言。
俺、嵐やっててよかったよ、って。
情熱を叩き付けるような、長い年月を経て、潤くんはたくさんの味方を持った。
わたしは、そういう潤くんのつくる、嵐のコンサートで育ってしまった。
コンサートとは、ライブとは、ステージとは、自分自身そのものであり、自分たちそのものであり、自分たちのために、なにもないゼロの状態からつくりあげるものである。
つくりあげたものの初日の幕が開いたら、会場の反応を見ながら、また、最初からつくりあげていくものである。
気になる点はその場で直す、1部と2部のほんのわずかな時間でも、直す。
翌日用に、終わってから映像を撮り直してすぐ使う。新しい映像もガンガン撮る。
叩き付ける情熱を、受け止めてくれる味方がいる幸福。
嵐コンはおもしろいよね。
そう言ってくれる人がだんだん増えて、たぶん最初は、ジャニオタのカテゴリーのひとたちが、嵐のは行くわ!って言い始めてくれて、数年かけて、だんだん、だんだん、チケットが取りにくくなって、そこに、ドラマと映画のダブルの追い風がきて、それまで何度も逃していたその風に、乗った。
そして、今でもコンサートは続いている。
たぶん、めっちゃ無理して、無理をとおして、毎年やってる(と、おもう)。
潤くん自身は、年月を通して、そこまで、苛烈ではなくなった、ようにみえる。
でも、ひとたびムービングが動かないなんてなった時には、途端に戦闘モードに突入して、段取りの鬼と化している。
その背中が、今でも好きだとおもう。
わたしは、あなたのことを、まったく知らないけれど、でも、わたしはステージにいるあなたのことを、たぶんものすごく信頼している。
ステージに求めるわたしの気持ちの全部を、あずけてもいいと、おもっている。
幸福をつくる一端に、なれたらいいと、おもっている。
その情熱を傾けられる場所と幸福が、いつまでもいつまでもあなたの腕の中にありますように!
Happy, Happy Birthday!