「味方は?」という質問に、潤くんが「4人だけ」と、放り出すような答えが記載されていたことがある。雑誌は『Pict up』、時期は2002年頃。まだ、世間に認知されるくらいの「仲良いですね、って言われる嵐」は存在しない。すっごい、とがってた時期だとおもう。仲が良い、とは、言えなかった頃。
だから、「4人だけ」は、ちょっと衝撃的だった。まだおぼえてるの、この時の写真とかも。
メンバーにしてほしくないことは?「いなくなること」
味方は?「4人だけ」
そんな、質問の並び方だった。
味方は?に対して、家族、とか、そういうこと言うんじゃなくて。ファンの子、でもなくて、支えてくれる人、とかでもなくて。4人だけ、って。
すっごいとがってて、別に、仲良くもなかった時期で。でも、味方は、4人「だけ」って言うの。
スタッフとか、周囲の人とか、自分にかかわりのある人、とか、そういうこと吹っ飛ばして、そういうこと全然口にしないで、「4人だけ」。
でも、そういう瞬間がある、っていうその景色を、1回だけ、見たことが、あって。
名古屋の、まだレインボーホールって呼ばれてた頃。
まだムービングステージはなくて、花道を通ってバクステに移動してた頃。
その、レインボーのステージ真正面、バクステ真正面のスタンド席で見てた時、バクステがするすると上がって、その上にいる5人と、目線がまったく同じ高さになったことがある。
曲は、A・RA・SHIだったと記憶している。本人たちはバクステは向いておらず、目線の高さが同じだったから、ちょうど、同じ景色を見ているような形になった。
ステージ上はほかに誰もいなくて、ほかに何もなくて、本当に5人だけしかいなかった。視界に入るものは、客席と、からっぽのステージ、ただそれだけ。
5人横並びの背中を見ながら、肩に手をかけあった背中を見ながら、あぁ、この瞬間、確かに味方は「4人だけ」なんだって、すごく強く思った。
何かあっても、自分と、4人、ただそれだけ。
味方は4人だけ。だって、物理的にほかに、「誰もいない」「何もない」瞬間が、確かにステージ上には、ある。
客席のことを、「味方をしようと思って来てくれている人だと信じる」ことはできるけど、それ以上に助けてもらうことができるはずもない。客席の誰も、ステージの上に駆け上がって、手を貸すことはできないし。
ステージの上に、5人しか存在しない瞬間がある以上、味方は「4人だけ」。
そういう言い方を、2002年の、MAXとがってた頃に、潤くんはしていた。
ジャニーズにおけるグループとかユニットの存在を考える時、いつもこの「4人だけ」に立ち戻る。
たとえ視線が合わなくても、味方は、隣にしか、いない。
同じステージの上に立っている、ただそれだけが、味方の証。
答えは全部、ステージの上にある。