今現時点での感想を書きなぐっておきたい2017宇宙Sixクリエ山本亮太's ソロ『FORM』
登場人物は、最初りょうちゃん。その後、林くん。林くんが消えてから、江田ちゃん。江田ちゃんが消えてから、目黒くん。
りょうちゃんは白シャツにジーンズ。雨、のシチュエーションなので、本人は髪と上半身がうっすら濡れているてい。
最初1人で階段上。下に降りたところで、黒シャツの林くんが出てくる。
白と黒。
背中合わせに同じ振付を踊って、一緒に歌うところもある。
背中合わせだけど、この時、100%りょうちゃんはしょーちゃんの存在を把握していて、その姿が見えるみたいに動く。それはしょーちゃんも同じで、背中合わせだけど互いの姿が互いに100%「見えている」。
しょーちゃんがハケる直前、りょうちゃんの肩に手を置く。
りょうちゃんは、振り返ってしょーちゃんの顔を見る。
しょーちゃんが、じっと顔を見て、頷いて、手を離して、ハケていく。
それを、りょうちゃんはじっと見ている。
白が黒に励まされているのか、背中を押されているのか、理解者であることを示しているのか、それなのに黒が隣から去ってしまうことを白が悲しく思っているのか、背中合わせだけど近くにいてくれることに感謝しているのか。
江田ちゃんは、傘を持って出てくる。白いビニール傘に、黒いシャツ。
しょーちゃんの時と違って、この時、りょうちゃんは振り返らない。
その存在を把握している風情もない。
江田ちゃんはその傘をそっと地面に置いて、歩き出し、しかしその場を離れられずに、りょうちゃんから少し間をあけた位置で踊り出す。
背中合わせではなく、江田ちゃんからはりょうちゃんが見えている。
その状態で、同じ振付を踊る。
りょうちゃんは、最後まで、江田ちゃんを振り返らない。
江田ちゃんも、りょうちゃんに接触しない。
ただ、傘を持ってきてくれて、それをそっと離れたところに置いて、確かめるようにその姿を見ながら一緒に踊ってくれて、そして、そっと去っていく。
白に接触する黒と、白と接触しない黒がいる。
最後に、階段の上にめめが現れる。
2人の黒よりもずっと離れた位置で、同じ振付を踊る。
最後の黒は、上から俯瞰でりょうちゃんを見ている。
何かが届かないことに疲れたようにしゃがみこむ白、最後の黒は上からゆっくり階段を下りてきて、2人目の黒が置いていった白いビニール傘を手にとる。
そして、しゃがみこむ白にそっと傘をさしかける。立ったまま。
りょうちゃんは、雨が自分にかからないことに初めて気づいたように、しゃがんだまま、そっと体をひねって上を見る。
白いビニール傘をさしかける、3人目の黒が白の視線の先にいる。
ー物語はここで終わる。
ずっと背中合わせでもその姿を100%把握できる、最後には肩を叩いて目を合わせてくれる黒。
存在を常に意識はしないけど、目線を送らなくても必要な傘をそっと置いていってくれる黒。
一番遠いところにいたけれど、置かれた傘をさしかけてくれて、雨の存在を気づかせてくれる黒。
SHOCKの、マンションを見上げるライバルのシーンをちょっとだけ思い出した。
あれは、傘を持ってきてくれる人を認識して、しかしライバルはその傘を受け取らずに拒絶する。
使われなかった傘を、年下の可愛がられている彼は握りしめたまま、雨の中を帰っていく。
転じて、クリエ。
最後には肩に置かれた手、音もなく置かれていた傘、それをさしかけてくれる人。
肩に置かれた手を、持ってきてもらった傘を、さしかけられる優しさを、りょうちゃんは拒絶しない。
世界中で自分だけ、みたいな顔を時々するくせに。
肩に置かれた手も、置かれていった傘も、さしかけられる優しさも、全部、ちゃんとわかってるよ、って。
ジャニーズJr.って、ひとりだけど、ひとりじゃない。
そんな物語を見た、第二夜。