AI-DAYONE!Returns!

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2003.08.17-18
Arashi How's it going?  in福岡

福岡の初日、嵐ちゃん&スタッフ陣総出で総勢120人くらいの打ち上げをやりました。

二宮くんはホテルで取材の仕事が入っていたため、途中で帰りました。

打ち上げが終わった後、帰りの車で「去年とまったく同じ」に盛り上がったんだと翔くんが言い出して、それを再現してみることになりました。

二宮はその時すでにホテルに戻っていたので、俺昨日参加してないから見てるー、と言いました。

そうしたら松本くんが「カズが見たいって人もいっぱいいるんだから早く!」と芝居がかって言いました。

翔くんが二宮に素で「マジで去年とまったく一緒だよ?」と言いました。

「入りたくなったら入ってきてね」ということで、で!始めたことと言うのが。

相葉「ね、ね、俺千葉に住んでんじゃん?大野くんは?」

大野「東京」

相葉「東京の田舎の方ね、松潤は?」

松本「東京の都会の方」

相葉「東京の都会ね、」

とか、そーいう会話を始めて、最終的にはつまり千葉に住んでる自分が住んでる場所が違う人達に出会って、今嵐をやってて、そーいうことって全部

全員「愛だよね~~」(と、言いながら親指を立てる)

…っていう話、なんだけど…文字だとやっぱわかりにくいねぇゴメンナサイ;

この「愛だよね~」を、車に乗ってた警備の人とかも含めて全員でやってる、と。普段そういうのを一歩引いて見ていそうな松本さんもなんだか積極的にやってるのがオカシイ(笑)

そんで、何度目かにやった時の「愛だよね~」に、二宮が絶妙のタイミングで参加してきて、「愛だよね~」ってこのMC以降挨拶の時とかもやってて、いやそりゃ「愛だよね~」は「愛だよね~」なんだけど、なんつーか、アホの子が5人集まってる感じで(爆笑)

…愛だよね…(なにがだよ!(笑))

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「アイだよね!」が嵐内で猛威をふるっていたのは2003年夏、How's it going?ツアーの間中。

当時自分が書いたものを見ると、ツアー最後の方ではとうとう「アイだよね!」と、テロップが出たらしい。

相葉ちゃんが嵐大好きと言いがち、というのは当時のMCの定番ネタになっていて、飲んでると最終的には「俺、嵐大好きなんだよね!」っていう話で終わるっていう。

そして周囲を巻き込んだ「アイだよね~!」につながるっていう。

それから、10年後。2013年。

嵐は、「LOVE」と直球タイトルのアルバムを出して、やっぱり「LOVE」と直球で銘打ったツアーをやっている。

その、最終日。最後のあいさつで。

翔ちゃんが、(客席の)みなさんよりも、われわれの方が嵐のことを好きです!負ける気がしません!

…というようなことを言い出した。

嵐は時々、そのようなことを口走る。

ここでいう「嵐」はなんだか、自分たちがいることで「嵐」であるはずなのに、「嵐」はふよふよとどこかを浮いていて、それに必死で手を伸ばしているような「嵐」である印象を受ける。

根底にあるのは、「好きである、と思っている」という感情であろうけれど。

ただし、嵐は最初から嵐を好きであったか?といえば、それは絶対にそうではなかった。

ぎくしゃくもしてたし、みんな精神的にも肉体的にも不安定。10代後半、20歳になっていく直前、ちょうどそんな年齢だったし。

そのくらいのジャニの子たちが、どうにもこうにも不安定だという印象を受けるのは、この時期の嵐の印象が強いせいだとおもう。

デビューするのしないの、自分の人生どうするのかちょうど岐路の年齢にさしかかる心理的な不安定さに加えて、なにより、体力的に不安定。

特にその頃の雅紀くんは、よく風邪っぽい顔だったり、あ~この人今日絶対熱あるな~という雰囲気の顔だったり、テンション高くしてるけどきついよな~大丈夫かな~と、見ていて、そう、思うことが、結構な割合であった。

大丈夫かなぁ。

…大丈夫かなぁ。

そんなある時のコンサート、MCでふいに雅紀くんが引っ込んだ。その時も体調悪そうだった。とうとう、という感じ。

しばらく、出てこなくて。そのまま、MC終わりそうで。

あれ~、みたいな、話になった時に。

ニノが、なんでもないことのように、「もう(MCには)帰ってこねぇんじゃねーの」と、言った。

それは、帰ってこなくていい、ということで。

休んでろ、ということで。

きちんと支えられているということの証左でもあって。

ジャニーズがグループというものにこだわっているように見えるのは、精神的にも肉体的にも弱い部分をそれぞれに支えることで強くなろうとするからかなぁ、と、思ったりして。

そのころから、なんとなく、「大丈夫かなぁ」と思うことをやめた。

雅紀くんは特に、内心で思っていることや、方向性や、思考のようなものを表に出すことを良しとしていないような芯があるように見えて、でも体力的な部分はどうしてもある程度は外に出てしまうけど、でもそれも、表に出なくていい、という芯に照らしていえば、心配は不要なのではないか、とか。

わたしはすごいおたく思考なので、その人が今なにを考えて、その思考は過去のどのような部分からきていて、今考えているそのことはこの先どのような方向性をめざすための今なのか、とか。

あぁなってこうなって今こうなってるっぽいけど、大丈夫なのかなぁ、大丈夫なのかなぁ、とか。

おたく思考というのはほんとに、余計な思考と余計な心配だけでできている、と、そんな感じのスタンスを今でも続けてしまってはいるんだけども。

でも、内心や実情が必要ない瞬間というのは確実にあって、そこに貴方がいて、そこで歌って踊って笑っていることが、それが今の全部で、過去も未来も今ここにしかない、とか。

だからそれを見ているわたしは心配ばっかりしなくてもよくって、ただ、ここに今があるということを握りしめることが大事な瞬間もあるのだ、と。

そういうことは、全部、雅紀くんに教えてもらったと思ってる。

嵐になってからの、最初は多分みんなそこまで好きでもなかった、でも好きになっていく過程があった、だから、嵐大好き!アイだよね!って大声で言える、雅紀くんに。

その、雅紀くんのお誕生日の前々日。

コンサート、MCのタイミングで、おごそかな音楽をバンドのみなさんが演奏してくれて、「……?」の空気の直後、流れ出したバースデーソング。ケーキを持ってやってくる潤くん。

今まで、何度かあった、ステージの上のお誕生日。

雅紀くんは、決まって、「なんだよ!」って顔をする。

なんだよ!俺、知らなかったよ!なんだよ!

今回も。

なんだよ!って顔をして。それから、神妙に、頭を下げる。

一言あいさつを、って言われて。

「変わってくことも大切だけど、変わらないことも大切」

そんなふうに、雅紀くんは言った。

『変わっていくことを、なぜ、僕らは恐れるのかな?変わらないことを笑うくせに』

「昨日、1年半ぶりに5人だけで飲みました」

その日、翔くんは最後の挨拶をそんなふうに切り出した。

「誘ったのは僕です。1年半前も、誘ったのは僕です。2時間ちょっと、この15年の、今までと、これからの話をしました」

たしかに、変わってゆくことを、恐れている、と、思う。そして同時に、変わらないことを恐れてもいると思う。ぼくたちがいれば嵐じゃないから。ぼくたちは、ふよふよと浮いている嵐に手を伸ばして、つかまえておく必要があるから。

恐れているから、節目節目に確認して、円陣をがっつり組んで、ひとりひとりの言葉から、たしかめたい、と思うのかもしれない。

嵐がたしかに、ここ、にあることを。

「5人で仲良くやってければそれでいいって伝えました」
「30歳になってもともだちがいないので。仕事でも、それ以外でも、仲良くやってければ」

ニノは、そんなふうに言った。

大丈夫でしょ。そんな心配しないで。恐れてはいるけれど。そこはなんとかしてこうよ。

「昨日打ち上げやって…、スタッフさんもみんないい人だなって」

智くん。

恐れていても、まぁ、なるようにしかならないし。いい人たくさんいるし。やっていけるよ。恐れていても。

「Jr.、バンドのメンバー、250人を超えるスタッフ、みんなに支えられてツアー完走できました」

潤くん。

恐れてはいるけれど、人に恵まれてるし、救われてるし。

だからといって、その恐れが、なくなるわけではないけれど。

そして、雅紀くんは。

「あの、ちょっとメルヘンなこと言ってもいいですか!」

と、笑って。

「このまま、時が止まればいいのになあ、っておもいました!」

と、言った。

このまま、時が止まればいいのに。

ここには、確かな今があって、確かに「ここ」にあることがわかるから。

そして、

「コンサートの神様、ありがとう!」

って、天に向かって叫んだ。

雅紀くんが見上げた天井にいる、コンサートの神様。

What is LOVE ?

愛、って、なぁに?

This is LOVE !

これが、「あいだよね!」

コンサートの神様はたぶん愛をみつけて愛の上に降り立つ。

相葉の「あい」は、「愛」なのだ。

会場をつつみ会場内にある地球をつつみ、その外側をつつもうとする愛の上にコンサートの神様は降り立ち、そしてきっと君にはそれが見える。ほかの誰にみえなくても。

おそれることはないさ。

だってこの世は「あい」だから。

ぼくたちのステージの上に、そしてぼくたちの間をつなぐ「あい」が存在する限り、コンサートの神様はぼくたちに必ず微笑んでくれる。

だから、おそれることはないさ。

「…こんな31歳がいてもいいんじゃないですかね」

メルヘン、なことを言い出した雅紀くんに、ニノがそんなふうに返した。

What is LOVE ?

愛、ってなぁに?

This is LOVE !

ステージの上に舞い降りる、これが、「あいだよね!」

Merry Merry Christmas & Happy Happy Birthday !