Johnny's World おぼえがき ~第二幕

クリスマス前の一幕終了後、突然中島健人withサンタクロース隊が出てきて、サンタクロースが客席前方に降り、チケット半券に記念のスタンプを押してくれるという、謎のサービスがあった。売店の付近にもスタンプが置いてあり、押せるよ、という内容のことを健人が説明しに、あの白衣装で出てくるという代物。説明は時間にして5分もないくらい?その前の出順や着ている衣装、準備の関係もあるけれど、ここで出してくるのが今は中島健人なのか!という。しかも本人登場時にいろいろパターンがあり、自分が見た時はかつんのやってるSUZUKIの車のCMの亀梨さんの歌真似を激しく展開しながら出てきてて、よくわかんないけどとにかくこの人、一瞬たりとも隙がない!よくわかんないけど、すんごい努力しているのはわかる!でもその努力を他人に押し付けないことがたぶん一番偉いとおもう!

その、幕間のサンタクロース隊のうち、1人はずっとずっと舞台上にいた。クリスマスが終わって、サンタのいない幕間がちょっとさみしかった。

そしてわりと唐突に始まる二幕、異世界すぎて客席を次々に振り落としていくジャニーズワールド、うますぎるロボットダンスが近未来のリアリティ。

SexySummerに雪が降る、タイトルの異世界っぷりもなぜか奇妙に近未来。きみたちの生きる世界。

Where my heart belongs.

帝劇詣でを3ヶ月も継続する理由のすべてがこれ。
これも、みんないるのに一人。きみの孤独。きみの痛み。
スローな場面でピアノに取り縋る、のに、すぐに離れる。
スローな場面でベンチに座って身を翻す、みんないるけど、見えていないみたいに。
左手で右腕を撫で上げる、そのときの、痛み。対して、それを感じていないような佇まいの静けさ。表情も。ひとは概念的には一人になれる、しかし、物理的に一人にはなれない。概念的物理的な一人は平和で、淋しさを凌駕する。「しかし」物理的に一人では生きていけず、そこに痛みが生まれている。
人は人といる故に痛みがある。もしかしたら喜びよりも。それは孤独よりも痛い、しかし。
物理的に一人にはなれない、だから、人は痛くてもいい。痛いまま、すすんでゆくことができる。

空を見上げて。

アップテンポに切り替わるその瞬間、ベンチの人が彼の目に入る。手を取られ、腕に触れて運ばれる舞台中央。そのまわりに、人。とてもよく知っている。そして、よく、知ってくれている、人。踊る。水を吸うように、思いを吸収するように。
ターンし、きみが目に入り、表に振り返る、指差す空にStar、後ろのきみも同時に。Star、たぶん、ぼくたちの目指す。
物理的には一人になれないぼくの。人といる痛みを抱えたまま、人は生きていけると教えてくれたきみの。そして、概念的に一人になれるぼくの。

Close、目を閉じる。一人で踊る時、手のひらで目を覆う。

Close、目を開ける。みんなで踊る時、手のゆびで目を見開く。

きみが存在するがゆえの痛みを知ってぼくは人になり、それゆえに目を開くことを知る。孤独の概念に浸り、ぼくはぼくを求める。痛みがあってもいい。ぼくはそれを知っている。痛みを感じなくなる必要もない。痛みは痛くていい。それでもすすんでゆける。それを内包したままに。

生きよ、途切れるまでは。

Where my heart belongs.

曲が転調して、マンションごとみんなが出てくる瞬間がクライマックス。圭人はわりと知念がターンした瞬間に目線を合わせたりして、そのうえで知念の振りを真似したりして楽しそう。
上手にいる有岡くんと光は位置の関係で知念の顔が完全には見えないと思うんだけど、普通に一緒に歌いながら、「Star」のところで天を指差す。顔が笑ってるわけじゃなくて、普通に、ごくごく普通に一緒に歌いながら、自然と手が空を指差すそのナチュラルさがすっごくすっごくいい景色だった。

デスペラード。ジャニジャニしてる基本衣装ジャンプスーツなのに、みんな似合うのって結構すごい。はっしー赤ジャンプスーツの似合うこと。セットの一番上で歌いだすその瞬間のポージングが美しいこと。
塚ちゃん不在時の、鬼気迫る迫力のダンスバージョンもすっごくよかった!!

帝劇のジャニーズ演目ひととおりに出たことのある自分たちについて「ちっちゃい頃からやってるからね」と照れる郁人にずっと突っ込みたかったただ1点、「全部ここにしまいこんでんだよ!」の時、カズヤはターンしないのです・・・ただ、胸を押さえてその言葉を絶叫し、よろよろよろっとはするので、カズヤブレーキは使用しているとはおもいます・・・。

シェイクスピア。それぞれに得意があれど、3人とも悪役がはまるとはこれいかに。

とっつーロミオは辺りの空気を払う。周囲のざわめきを払い、静かな風景を一瞬で引き寄せる。
シェイクスピアの絵本から抜け出てきたような時代観。ちょっと自信あり気な姿が目を引く。
健人はパック。ふわっと浮遊した瞬間の、明るい光が飛び出してきたようなはじけるまぶしさ。

亀梨さんお墨付きのSHOCKパロ。初期の頃のSHOCK、たくさんたくさん踊ってたから、あのパロディたぶん全部歌えるはず。
プロローグの曲もそのままに、雨とバイク(と塚リカ)。初期SHOCK体験者の心に響きすぎる「大腿部複雑骨折」「踊れますか」「踊る?なにをばかな!」あの頃も今もなぜか暗記してしまう病院シーン。全体をトータルして回す郁人の群を抜く安定感、誰が寄りかかっても散らばっても、引き寄せて整えてぱっとにぎやかに消化させる。ひょうひょうとした姿勢を崩さない伊野尾の魅力、日に日にいろんなことを(郁人に内緒で)仕込んでくるチームSHOCKパロ、終わりはスペシャルゲストこういちくんwith最新の0番。こういう接触のおもしろさをみんな極端に愛してる。

個人的に一番好きだったパターンは「~からの菊池ふうま!」かな・・・。確かにそういう動きする!って有岡くんがゆって、「ごーっち」のとこで勝利さんが「ふうまくんは、こうもする!」って謎の動きをして、それを受けてふうま本人が、革命の説明で出てくる時に「~からの菊池ふうま」の動きをやりながら出てきたこと。完璧なオチになっていて、客席もすっごく笑ったのに、けろっとした顔をして、淡々と革命の説明をしていたこと。ニューエイジはあまり引きずらないのか・・・勝利さんもふうまも一瞬で戻るよね・・・っておもった。

続くDREAMBOYSの対する生真面目さ。棺桶から「ガチャ」とはよく言い表したもの。フライング前の衣装がよく外れかけていたのも、それをゆーやが片手で必死に押さえながら踊っていたのもいとをかし。

革命のOvertheRainbow、歌い出しの柔らかさ、船の姿もなぜか優しげに揺れ、たたかう匂いのせぬ。

そのまま、玉手箱。終盤にきて色々拾うものも増え、山爺の第一声が「はしもとの野郎、」なことがむやみに微笑ましく。

その山爺は客席の捌き方がかなり平等性を意識しているように見受けられる。いろいろ考えすぎて一周回ってこうなった、的な重さが爺の姿にマッチしているという、もののあはれなり・・・。
早替わりはいつも客席から感嘆の溜息のもれる。その直前、上手傍に控えるめぐろくんというらしきJr.の山爺への受け答えがとても秀逸だったことが特記事項。

ベッドの上からひょっこり現れる知念。ブランコはとにかく早い。その前の塚ちゃんのロープ技、床上のJr.のアクロバットもとんでもなく高度で美しい。知念がブランコ終わりで、とことことこ・・・と歩いて下手にきて、ペコっと頭を下げる瞬間がいつもとてもふんわりしているのもいい。

名前のない想い。薮が地味に大変なことをしている。一幕最初の方の水も、ノッティナ後のもそうだけど(知念と勝利さん&有岡さんも)、こういう、あんまり派手じゃないけどすっごい大変なアクロ系の技というのは、引き受ける側の度量が試されているのではないかとずっとおもっている。薮はそういうのを平気な顔をしていることも含め、えらいな・・・としみじみ。

ミステリーヴァージンwithABC-Zバージョン。
6人全員がっついてる。ものすごい肉食系感漂うミステリーヴァージン。本気だ、以外の言葉が出ない。最後のサビの前、助走つけて階段を勢いよく高い高い打点で飛び越えてくるはっしーの美しいこと!いくら絶賛してもぜんぜんたりない!これ、ほんっとにすばらしい!帝劇だけでやってるのもったいないとずっと思ってるよ!

そして始皇帝、ピラミッド、ナスカの地上絵、モーセと続く謎のターン。とっつーごくろうさまほんとごくろうさまとしか言いようがない。逆に言えばあの場面をもたせてるんだから、とっつーも薮もほんとえらい・・・。上手下手で待機するみなさまもえらい・・・。

こいつらひでぇ人間なんだよ。「こいつも、こいつも、こいつも!」ここの山田の「こいつも」攻撃が、裸の少年のじゃんけん焼肉10番勝負の回の聖「あいつもあいつもあいつも、食ってたんだよ!」にすごく似ていると毎回思っていてほんとうにごめんなさい・・・。最初見た時に反射的に思い出してしまって、以来ずっと消えてくれなかった脳内裸の少年・・・。

「気がつくとみんな脱いでる」という感想を持つ人がとっても多い、闇を突き抜けて。最初のうちはポカーンで終わっていたわたくし。あれ、これ、いいかも?と思い始めたのは、音キッカケの「来いよ!」が有岡くんなんだと気づいた時。回数見るごとに中毒性のありすぎる闇を突き抜けて、終わる時に突然裸の肩に銃を持つ少年の歌。
最後の挨拶の「愛してください」も含め、山田は「断る」ということをおぼえた方がいいのか、おぼえない方がいいのか、どっちも微妙だな、と思ったりはする・・・。

そしてとっつーキッカケで突然我に返るみなさん。ここは塚ちゃんの「狂ってるって言われたっていいんだ、大切なのは信念だ!」がとてもとても心に響く。

スタンダーップ!と起立させられて運ばれてくるバルーン、もう通路狭いのにバルーンもJr.もわっさわさで、通路近くにいるとナチュラルにバルーンと激突すること多数(ぶつかると結構本気で痛い)。
フックをひっかけに何人か舞台からも降りてくる、髙木がいつもかっこつけてるのに、素でバルーンに激突されて痛がって情けなく笑っていた姿が妙に印象に残っている・・・あとゆーとのとってもハッピーな感じと、光の気安いキャッチーな雰囲気。

なんだかよくわからないままに急速にまとめに入っていく舞台。そう、確かに平和大事。ジャニーズは、エンタメは平和産業。なにかあったら一発で吹っ飛んでしまう世界、だから平和大事と言い続けること絶対大事、そういう、信念。

「あのロケットで地球に帰ろう!」(でも舞台にあるのは滝沢様式の飛行機)、さすがに無理があったのか、その後「あの飛行機で」に変更されているのもいとをかし。

Let's go to the Earth.ぼくたちの地球に帰ろう。かがやく、とか、てらす、とか、みらい、とか、そんな言葉が散りばめられた。

帰る場所は、きっときみたちの未来。

Let's go to.........?

また、魔法の13月へ。